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嘘色エゴイズム。
薄汚れた世界の真ん中で、眩い過去を想っていた。
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浅い、浅い眠りが続いた。

曖昧に輪郭がある半現実と
意識を手放した半無意識
の狭間。

ここは冷たく暗く、
薄暗い光だけが微かに差していた。

頭上高くで淡く光る星が、
こちらとは正反対に勢いよく昇っていく。
ふたつ、みっつ、数える間もなく吸い込まれていく。
天の川のように
途切れる事なく繋がっていく。
空へと還る生命のように
真っ直ぐ上を目指す星たちは
留まる事を知らない。

留まった星が
移ろうだけの残像になってしまう事を
僕が知ったのは
どれくらい前だっただろうか。

僕はいつからか
星を打ち上げられずにいる。
迷わないようにするなら
手放さなければいい、と。


呼吸する必要はない
深い深い海の底で
生命の欠片が
生を求めている。
だけど、生命は。

この指先は石のように堅くて
動かされる事を拒んでいるようだった。
星を紡ぐ事すら躊躇い、
そして
その術すら失ったのかもしれない。

僕が夢を見続けた、
星の往く果てには
僕は行けない。
綺麗なものばかりが集まる世界に
僕はいけない。


意識と無意識の狭間。
微かな諦めと絶望を
僕はずっと待っていたのかもしれない。


深い深い海の底。
これは夢ですか、幻想ですか、
あるいは悲しい幕引きですか。

浅い、浅い眠りが続いた。
区別のつかない微睡みと
夢の揺り籠の心地よさに囚われて
僕は眠り続ける。
青い海の底で。
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