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嘘色エゴイズム。
薄汚れた世界の真ん中で、眩い過去を想っていた。
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私は、ただ一人地に足つけて立ち尽くす。
強すぎる風が私の感覚を奪っていく。

そして、遥か青の頃を思い出した。

微睡みの意識の中、
私の耳に届くのはただ、

風。

ゴォゴォと
ただひたすらに風を切る音。

激しい叫びのようで
悲痛な泣き声のようで。
だけどどんなに考えを巡らせても
ただひたすらに
壮大な青の
思いのひとかけらにしか過ぎなくて。

通り過ぎていく
その一瞬一瞬が
訴えることばすら
ああ、私には
捉えられない。

きっとこの思いすら
青の一瞬にしか過ぎなくて
誰にも捉えられなくて。

だれにもしられぬまま
いつのまにかまどろみにおちて
おおきなあおのいちぶに
なっていくのだろうか。


一筋の涙が
風を受けて頬を冷たくした。
晴れすぎた、風の強い昼下がり。
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