for my lover.

あなたに全てを捧げたいのに、
あたしはあなたほど烈しく
ひとを愛せない。

真っ直ぐにあなたを見ていると
真っ直ぐにあたしを愛するあなたに
この気持ちを悟られないように
笑顔で誤魔化してしまう。


だって、
たとえば
明日あたしがしんだら。

あなたは
たくさん泣いて
たくさん悔やんで
たくさん叫んで
たくさん空っぽになって
たくさん、
あたしを想ってくれるでしょう。


だけど、あたしは
たとえば
明日あなたが死んだとしても、
普通にいけてゆける気がする。


喪失感に枕を濡らしても
乾かしてしまう。
それから、きっと、思ってしまう。

『あたしは、ほんとうにあいしていたのかな』

って。

きっと、あんなにたくさん交わした
「好き」「愛してる」「ずっと一緒」も
あたしはいつだって嘘にしてしまえそうで
怖いの。



だから、そんなに深く愛さないで。
あたしはいつあなたを裏切るか分からない、
だから、そんなに深く愛さないで、と願いながら、

深く愛されることを望む。
ずっとずっと一緒にいると誓い合ったのだから、
深く愛され続けることを望む。


ねぇ、
知ってた？

あたしがこんなに残酷な人間だってこと。