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嘘色エゴイズム。
薄汚れた世界の真ん中で、眩い過去を想っていた。
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月明かりが眩しすぎて
眠り損ねた夜中の3時半。

月はとっくに沈み、
風はひんやりと冷気を含んで
煌めく星はまどろみ始め、
夜明けを漂わせる東の空は
うっすらと明るみ始めていた。

昨夜と明朝の間。
夢と現の間。
明けてしまったら
途端に失われてしまう
脆く、儚いものたち、
それから
あらゆるものから自由なあたし。


…ああ、なんだか
随分、遠いところに来てしまった気がする。

日常からか、
あのころからか。

ふと、例えようのない孤独感に苛まれる。
(それは解放感と同じ意味なのだけど)

あたしはそれが嫌いじゃなかった。
悲しくもなかった。

ただひたすらに自由だった。

あたしはこの世界で生きてゆきたかった。
自由なこの世界で、
悲しい常を嘆きながら
生きて、
きれいな夢を見ながら
消えてしまいたかった。


(夜明けが壊してしまう前に
この世界を終わらせよう)
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